生態・行動学などを踏まえたうえで、行動分析学における心理の働きを基に動物が行動を起こす原因を調査することで、それに至るシステムを解明することを課題とする。
臨床動物心理学は、臨床動物心理行動分析学・臨床動物心理学的生態学・臨床動物心理学的行動学の3領域に大別される。
臨床動物心理学的行動分析学
1930年代にアメリカの心理学者 Burrhus Frederic Skinner(バラス・フレデリック・スキナー)によって創始された心理学の一体系。英語表記 behavioranalysis に、生物多様均衡性を考慮することにより、臨床的な生物の行動分析を行う。
臨床動物心理学的生態学
根本となる生態学は ①生物と環境が互いに影響を与え合う作用 を扱う学問の分野であり、現在世界的に広く流通している英語表記のecologyを考案したのは、1866年にドイツのエルンスト・ヘッケルと言うダーウィン主義生物学者である。また、 ②各生物の分類群や生態的、形体的、地域的な区分 を主語としてこれに加えられる場合、本来の生態学と意味やニュアンスが変わり、その加えられた区分の生物自体と環境に関する動物のありさまの特徴を強く意味することが多く、臨床動物心理学的には①・②のいずれも仕組みを理解することが、人間社会の介入による生態系の変化が、生物多様性にもたらす影響を改善するためにも、欠かすことのできない重要な課題。
臨床動物心理学的行動学
動物行動学(英語表記 ethology)を主体とし、主に各種・各個体が経験や情報の蓄積(学習)を伴わない。あるいは経験や情報を学習したうえでの行動の個性(各種・各個体等の、ある刺激(変数)に対する行動の違い)を図るために、臨床動物心理学的に利用されている。
各種・各個体固有の行動の由来を理解、考慮するためにも欠かすことのできない重要な分野。